コラム① ~ 企業選びは名前か規模か…それとも ~ | きづく就業体験
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コラム

初めて就職活動に臨む学生の皆さんにとって「企業選び」は本当に難しいと感じるでしょう。「就活に軸を持て」「企業選びの軸だ!」…と教えられても何だか心は置いてきぼり、それが就活の最初の洗礼かも知れません。まずは最初のハードルを越えていくために、大きな視野を持って社会全体を見渡すことから始めてみましょう!

■日本にはどれくらいの会社数があるの⁉

事業所(働く場所)単位で見れば516万、そのうち法人会社数としては207万社にのぼります。(出典:総務省-令和3年経済センサス-活動調査)…ん⁉ちょっと待って、皆さんが初めて活用する就活サイトの掲載企業数は、概ね3万~4万社(各社)だから、実はこのままではとんでもない数の企業を視界から弾き出してしまうことになります。だからこそ「視界を広く、知識を深く、知らない仕事を体験する」意義は大きいのです。是非「きづく就業体験」で、まずは自分の選択肢をどんどん広げてみましょう。「一発検索!」で答えだけを求める就職活動だけでは気付かない、自分の興味・関心が見えてくるはずです。

■でも、知らない企業ばかりなのは何故

時代を少々さかのぼって考えてみましょう。時は1990年-高度成長期に一気に伸びていった日本企業は一瞬にして「バブルの崩壊」に飲み込まれていきました(恐らく皆さんは小学校の社会科の授業で習ったでしょう)。何万人にも膨れ上がっていた大量の社員、抱えきれなくなった大手企業は連日のようにリストラ人数(雇用調整)を発表し、そしてついに本社機能と各部署とが分社していく形となっていきました。現在は既存の中小企業と合わせると97.9%の企業は従業員100人未満(出典:総務省-令和3年経済センサス-活動調査)、仮にグループとしては巨大な企業であっても職種や事業別にそれぞれが法人化されているカタチが多いのです。こうやって日本の産業構造は大きな変化を続け、今皆さんの目の前にあるのです。

BtoB(Business to Business)企業という呼び方はどこかで聞いたことがあるでしょう。主に法人間取引を行う企業のことで、モノ造りが主力産業の日本では、その部品やパーツごとに特色ある高度な技術を持った企業があり、大手メーカーの完成品に組み込まれています。そして今BtoB企業の数は日本全体の約70%にもなると言われています。完成品を使う側「消費者」だった皆さんにとっては「知らない企業」だらけの就職活動となってしまうのはそんな背景があるからです。

■No.1の製品はOnly1のパーツから

例えば…
「自動車を一台造るために必要な部品の数は?」

現在のガソリン車で調べてみると1台に約30,000点以上の部品が必要となります。誰もが知る大手自動車メーカーでは4万社以上の企業から部品やパーツの供給を受け製造しているのです。世界中で評価されている完成品、その原動力になっているのは間違いなく中小企業の凄い技術力。あなたの脳裏に浮かぶのは4万社のサプライヤーの中で何社の企業名でしょうか?

「No.1の製品はOnly1のパーツでできている」
そう考えてみると、知らない会社を見つけ接点を持つことは「企業選びの本当の面白さ」に繋がっていくことでしょう。

■企業選びの本質は「価値の発見」

ここまでこのコラムを読んで頂いて、「企業選びは名前か規模か」ここまでこのコラムを読んで頂いて、「企業選びは名前か規模か」というタイトルの意味がある程度理解出来たのではないでしょうか。

ここであえて教科書に書かれているような「企業選びの基準」を挙げてみましょう。

☑ 企業理念
☑ 経営方針
☑ 企業規模や安定性
☑ 社風や企業風土
☑ 福利厚生・条件待遇
☑ 離職率

全て就職の企業選びには大切な要素だと思います。そして「働きやすさ」を求めることも今の時代には欠かせない課題。でも、もう一つ…そこに「企業価値・事業価値」というキーワードを加えてみてはいかがでしょうか。企業選びの最初の入り口は「名前や規模や条件待遇」かも知れません。しかし昨年来、就業型インターンシップが直接採用に結びつくようになった意味を、あらためて考えてみてください。「長く働ける職場に必要なことは何か?」その答えを是非見つけに行って欲しいと思います。